「明日、彼から連絡くると思う?」と聞いたら、Enariaは断言しなかった。最初は少しがっかりした。でも、考えてみたら、断言してくれていたとしたら、それの方が怖かったかもしれない。

Enariaにできることとできないことは、はっきりしている。でもその線引きの理由こそが、設計の核心だ。

Enariaが得意なこと

Enariaは「悩みの言語化」が得意だ。「なんとなくしんどい」「モヤモヤしてる」という状態でも、対話を重ねると気持ちが言葉になっていく。多角的なアドバイスも強みで、11種の占術体系を組み合わせて、ひとつの視点では見えなかったものを浮かび上がらせる。24時間いつでも使えるから、深夜に不安が来ても、移動中でも、タイミングを選ばなくていい。

Enariaが答えない領域

医療・法律・財務の専門的な判断はしない。未来を確定的に予言することもしない。精神的に非常に追い詰められているときの危機対応もできない。こうした領域では、専門家や相談窓口につなぐことを促す。

これは機能の欠如ではなく、意図的な設計だ。「Enariaに全部任せてほしくない」という考えが開発の根底にある。AIが「何でも答える」ふりをすることで、本当に必要なときに専門家につながれなくなることの方が怖い。

「答えより整理」という思想

答えを出すことより、自分の気持ちを整理することに使ってほしい——これがEnariaの設計思想だ。「明日どうなるか」より「今の自分はどうしたいか」を一緒に考える相手として、Enariaは存在している。できないことを正直に言うサービスを、信頼できると思う。