研修で「取引先」「コンプライアンス」「マネジメント」といった言葉の説明を一通り聞いて、資料にも目を通して、その場では分かった気になる。でも数週間後、実際の業務でその言葉を使う場面になると、意味は覚えているのに、細かいニュアンスや使い方がすっと出てこない。資料を読み返すか、誰かに聞き直すか。そのたびに時間が取られるし、同じことを何度も聞くのも気が引ける。そういう経験がある人は、少なくないと思う。

on-board typingは、そうした社内用語をタイピングのお題にしてしまうサービスだ。聞いて終わりではなく、実際に指で何度も打つことで、言葉が体に残るようにする。

「読む」より「打つ」方が残る

資料を目で追うだけの学習と、実際に自分の手で文字を打つ学習では、記憶への残り方が違う。タイピングは読みながら打鍵し、正誤がその場でフィードバックされるので、意味を目で追うだけの一方通行にならない。単語の難易度は読み仮名のローマ字の長さから自動的に判定される仕組みになっていて、易しい・普通・難しいの3段階に分かれている。短い基本用語から始めて、少しずつ長く複雑な言葉に進んでいく構成なので、いきなり難しい専門用語で心が折れる、ということが起きにくい。

覚える作業を、ちょっとした競争に変える

もう1つ大きいのが、ランキング機能だ。同じ会社・同じチームのメンバーとスコアやタイプ数を競える。「勉強しなきゃ」という義務感より、「あの人に追いつきたい」という気持ちの方が、実際には続けやすい。ミスなくクリアできたときには紙吹雪の演出が出る。小さな仕掛けだが、これがあるとないとでは「もう1回やってみよう」と思う頻度が変わる。

難易度を手入力しなくていい設計が、地味に気に入っている

作っている側として気に入っている部分を1つ挙げるなら、単語の難易度を管理者が手動で設定しなくていいところだ。読み仮名を入力すると、ローマ字に変換したときの文字数から難易度が自動で決まる。管理者は「この単語は簡単か難しいか」をいちいち判断する手間から解放され、新入社員は自分のレベルに合った問題から始められる。地味な機能だが、双方の負担を同時に減らせている部分だと思っている。

聞いただけでは残らなかった言葉が、打つことで少しずつ体に馴染んでいく。on-board typingを、その最初の一歩に使ってみてほしい。