ピッチャーがただランダムに球を投げるだけなら、このゲームはすぐ飽きる。作りながら、それが一番怖かった。だからキャラクターひとりひとりに、「この人はこういう投手だ」という個性を持たせることにした。
各ピッチャーには得意球種(specialties)・速度係数(speedMod)・必殺球(signaturePitch)の3要素が設定されている。得意球種はそのキャラクターが使える魔球を制限する。速度係数が高ければ単純にボールが速くなり、必殺球は「N球に1度、必ずこの魔球を投げる」という行動パターンを決める仕組みだ。
クロノス(称号:時の神)はその典型例だ。2球に1度、必ずSTOP_AND_GO(停止魔球)を投げてくる。対戦するうちに「次は止まる」とわかってくる。わかっていても止まるボールを待つのは難しい。そのもどかしさが、クロノスというキャラクターの個性になっている。
「オメガ・ウェポン」も同じく2球に1度の停止魔球を放つが、速度が固定値3.0と非常に速い。クロノスとは違う圧力をかけてくる。同じ必殺球でも、速度の設定次第で体感は別物になる。
BOSSピッチャーという仕組みも作った。EXTREME難易度で20%の確率で登場する特殊枠で、通常のEXTREMEキャラクターを超えるパラメータを持つ。「そろそろ終わりが見えてきた」と思った瞬間に現れる緊張感のために設けた仕掛けだ。
「開発者(称号:神)」はすべての魔球を使いこなし、速度係数も高い。開発者が自分のキャラクターを一番強くするのは少し恥ずかしいが、誰かが「開発者に勝てた」と言ってくれるときが一番うれしい。
50人を超えるピッチャーと繰り返し対戦するうちに、なんとなく覚えていく。攻略ではなく、愛着に近い感覚だ。それが、このキャラクター設計に込めた意図だった。